見出し画像

南伊豆町ワーホリ体験記

ふるさとワーキングホリデーとは?

“地域で働くことで収入を得ることができるとともに、休日は自由な休暇を過ごすことができる制度です。地域住民との交流や学びの場を通じて、旅行では味わえない地域の実際の生活を体験できる”といった趣旨の制度で、南伊豆町でも令和3年度から実施しています。

今回は、2回南伊豆ワーホリに参加してくださった、くるみさんに体験記事を書いていただきました!


〜自己紹介〜

今回南伊豆町のふるさとワーキングホリデーに参加しました、大阪出身のくるみです。
私は去年の9月にも南伊豆にワーホリで来ており、今回は2回目の参加でした。

レモングラスティーを淹れるくるみさん

〜南伊豆に来た理由〜

私がもう一度南伊豆に来ようと思ったのは、夏に来た際に大軌さん(就労先の社長)に「南伊豆は冬もまた違った魅力があっていいよ」と言われたことを真に受けたからです。(単純)

…結論から言うと、冬の南伊豆での生活は確かに魅力たっぷりでした!!

以下では、そんな冬の南伊豆で体験したことを紹介しています。

〜滞在スケジュール〜

南伊豆に滞在したのは、2月下旬の5日間です。
1日目 昼頃到着、町内散策
2日目 就労(庭の土木作業)
3日目 就労(山仕事)
4日目 就労(お米の塩水選)
5日目 昼頃出発

〜町内散策〜


●菜の花畑

夏はひまわり畑だった場所が、辺り一面きれいな菜の花畑に変身していました!こんなに広い菜の花畑ははじめて見たので、興奮して遠くまで行ってしまいました。 

一面の菜の花畑


●河津桜

すでにほとんどの木が葉桜になってしまっていましたが、いくつか見頃の木が残っていました。濃いピンクの花びらがとても綺麗でした! 

河津桜は例年2月中旬~3月初旬が見頃とされています


〜滞在先〜

滞在中は、大軌さん(社長)が保有する古民家に宿泊していました。レコードや薪ストーブ、薪風呂もある、昔ながらの古民家です。
近くにスーパーなどのお店がないので、ご飯は初日に食材を買い込んでおいて自炊していました。お米は食べ放題です!


●レコード

朝は優雅にレコードを流しながら支度をしていました。古き良き生活という感じです。 

レコードの様子。この日は1980年代のアルバムを流していました


●薪ストーブ

薪ストーブ初日に薪ストーブのやり方を教えてもらいましたが、安定して薪を燃やし続けるのは意外と難しく苦戦しました…。
火がよく燃えている時はエアコンやストーブなしでも想像以上に暖かかったです! 

薪ストーブの様子


●薪風呂

就労の最終日に人生で初めて薪風呂を体験しました。炊きすぎて47℃くらいの激熱風呂になってしまいましたが、体の芯の芯まで温めることができました。 

薪風呂の様子。火の周りにお湯を循環させて温めるタイプの風呂釜です


〜お仕事〜

就労先はアグリビジネスリーディングという会社で、春から秋にかけては稲作、冬は山仕事を主に行っています。
前回は稲刈りの季節だったので稲刈りに関わる作業が中心でしたが、今回は就労1日目に土木作業、2日目に山仕事、3日目にお米関係の作業と、日ごとに違った作業を行いました。

●就労1日目

1日目は滞在先の庭部分の土木作業を行いました。崖上に行くための道を作るのが最終目標でしたが、水はけを良くするために道の下に水路(暗渠)を3本通すところから作業が始まりました。

水路を通したのちに、掘った土を上から盛ることで道をスロープ状にし、また、道沿いには大きな石を積んで石垣を作りました。

土を掘るのも、大きな石を運ぶのも、桑で道を均すのも、全て手作業なので大変でしたが、最終的に道らしきものが出来上がった時の達成感はその分とても大きかったです。 

完成した道を歩きました

●就労2日目

2日目は藤枝での山仕事でした。朝は5時出発と早く、まだ薄暗い中で天城山を超えて行きました。
この日は雲ひとつない快晴で、人生で初めてくっきりとした富士山を拝むことができました! 

雪化粧が綺麗でした

山での作業はいくつかの作業に別れていたのですが、私はナンバリングという作業を行いました。ナンバリングとは、伐採した木の本数を把握しておくために切り株に番号を打っていく作業のことです。

作業する場所は急斜面かつ道なき道のため、今まで働いた中で最も危険な仕事場でした。

ナンバリング作業の様子

お昼休憩にはその辺の木や枝で焚き火をして暖を取りながら、ウインナーやパンを焼いて食べました。いい感じに燻されて美味しさ増し増しでした。

焚き火の様子。串もその辺にあった植物の茎を使用しています

●就労3日目

3日目は、お米の種のうち良い種を選別する塩水選という作業を行いました。
お米の種をある程度の濃度の塩水に浸すと、中身のしっかりしている重い種は沈み、スカスカの軽い種は浮かぶという原理を用いて、良い種だけを選別するのが塩水選という作業です。

60℃に炊いた家の薪風呂に10分程度浸した後、氷水に浸し、その後専用の機械で発芽を促進させます。

ちなみに薪風呂のお湯には私が前日お風呂に入ったときの残り湯が使用されています…。というわけで、今年のお米は私のエキスを吸収しているかもしれません。

飼いヤギのペタちゃんも、雑草を食べる任務を遂行しながら応援してくれていました。 

塩水選の作業の様子


たった3日間の短い就労期間でしたが、今まで行った仕事で、3日間でこんなに内容が盛りだくさんで充実している仕事はありませんでした。

写真と文章だけでは伝わりづらいですが、全部本当に大変な作業だったんです。でも、大変だからこそやり遂げた時の達成感はすごく大きくて、充実していました。

大軌さんをはじめとして、一緒に働いた南伊豆の皆さんは「生きる力」が本当に強いと感じました。それは体力的な面もそうですが、生きるための知恵の部分が大きいと思います。

自然に存在するものを活用して生活することが当たり前で、技術に頼りきって生活している私たちとは違う生き方だと思いました。

そんな生活をしている人たちと私たちの世界は一見交わりが少なそうですが、今回の南伊豆町のワーホリを通して、山仕事や耕作などの一次産業があることで私たちの住む世界や生活が成り立っているということを改めて実感しました。

…山を整備することで、豊かな森林が育つ。その豊かな山の養分が地下を通って川に溶け、川から海へ流れ、海を豊かにする。私たちはその海のいのちをいただき、エネルギーを蓄えられる。そのエネルギーで木が切られ、切られた木を使って私たちは生活している…。

このように、世界は循環していて、山仕事はそんな循環する世界の土台作りに関わる大切な仕事だということを知りました。


〜最後に〜

今回、南伊豆の冬のワーホリを通して、普段の生活の中では見えない世界を見せてくれた、大軌さんをはじめとする就労先のみなさん、また、受け入れてくれた南伊豆町のみなさんに感謝いたします。
ありがとうございました。

就労先となったアグリビジネスリーディングでは、春から秋にかけては稲作、冬は山仕事などを行っていて、現在は通年で受け入れを行っています(今後変更となっている可能性もあります)。

未だに滞在していたのがたったの5日間とは思えないくらい、思い出いっぱいの充実したワーホリ期間だったので、このように記事も長くなってしまいましたが…

この記事を読んでくれた皆さんが少しでも興味を持ってくれたのなら、冬でも夏でも貴重な経験ができると思うので、南伊豆の世界に飛び込んでみてほしいと思います。


この記事が参加している募集

ふるさとを語ろう

仕事について話そう

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!