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南伊豆に来て、滞在したからこそ得た経験と新たな出会い~ふるさとワーキングホリデーを終えて~

本記事は令和3年度南伊豆町のパイロット事業「ふるさとワーキングホリデー(以下ふるさとワーホリ)」参加者によるワーホリ体験記事です。

自己紹介

はじめまして、東京出身の岩本真理です。
大学では経営学を専攻しています。今までアメリカとタイへの留学、ビジネスコンテストへの出場などを様々なことに挑戦していました。
大学4年で就職活動を終え、卒業までの時間を自由に過ごせるようになり、海外のワーキングホリデーに行く予定がコロナウイルスの影響で断念し、国内のワーホリを見つけ参加を決めました。

なぜ南伊豆町に

今までも他県のふるさとワーキングホリデーに参加し、農業やNPO法人、日本語学校などの業務を行いました。その中で役場での勤務に興味が湧いたこと、また調べる中で他の自治体と比べて町のPRや情報発信に力を入れているのでは?と思い南伊豆を選びました。
小学生の時に一度家族旅行で訪れたことがあったことも、きっかけの1つです。

滞在中の生活

勤務先
・南伊豆町役場商工観光課
ふるさと納税PRチラシ
企業版ふるさと納税案内、PR記事
ふるさとワーキングホリデー体験記
南伊豆町役場では主にふるさと納税に関する業務を行いました。ホームページに掲載するPRチラシや記事の作成では、言葉一つで受け手の印象も変わるため、どのような表現や図を使えばわかりやすく伝わるのか考えることが難しかったです。

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公務員資格や経験もなかったため初めは不安でしたが、とても温かく迎えていただき、町のことや役場で働くから思うことなど貴重なお話も伺えました。

勤務初日が誕生日で、いきなり商工観光課の方からプレゼントとしてメロンロールをいただいたり、地方創生室の方とメロンパフェを食べに行ったりとメロン尽くしな1日でした!
南伊豆は温泉熱を利用して栽培した「温泉メロン」が有名で、とっても甘かったです。

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勤務後には職員の方とユウスゲ公園に真っ赤な夕日を見に行って、帰りにイノシシに遭遇したりと思い出に残っています。

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また、町内を案内していただいたり、今力を入れているワーケーション施設を見学する機会がありました。
「らいずや」は弓ヶ浜の近くの温泉付き宿泊施設で、仕事のできるスペースがあります。チェックインとチェックアウトがセルフであるため宿泊料金もリーズナブルで、気兼ねなく自由に過ごせることが魅力的です。

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他にもサイクリスト向けの宿泊施設「JU-ZA」や田舎暮らし体験住宅など、様々な種類の宿泊施設がありました。

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私自身、コロナウイルスの影響で大学の授業や就職活動はすべてオンラインだったので、より「場所や環境」の重要性が高まっていることを感じます。

移住して宿や飲食店を始めた方も多く、見ず知らずの町で暮らし、仕事をすることはハードルが高いのではと思いましたが、南伊豆は役場の支援が手厚く、サポートしてくれる体制が整っていると伺いました。
例えばSENA株式会社は「スポカン会議」という南伊豆の事業者が抱える課題(イベント企画、ホームページなどの制作)を地域外のクリエイターが解決するプロジェクトがあります。移住してきた方が南伊豆の事業者探しを行っており、役場の方が地域住民や経営者との関係構築をサポートしてくれたそうです。

南伊豆は民間企業や商工会、自治体が連携して地域活性や関係人口増加に取り組んでいることを、短い滞在でも感じることができました。

・「ローカル×ローカル」
南伊豆に移住された方が運営するゲストハウスです。
オーナーのイッテツさんはかつて地域おこし協力隊で町のPRや広報に関わっていて、南伊豆新聞や移住体験を語るマンガなどメディアも運営しています。
宿の内装は“みんなでつくろう(Do it together)”がコンセプトのTEAM クラプトンが担当し、地域内外の人達が一緒になって作り上げたもので至る所に工夫が見られます。
廃材を利用したコンセントや豆のドアノブなどなど…

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今回はたまたま別館のリノベーションを行う時期で、私も参加しました!
ビス打ちや丸のこ、ペンキ塗装すべてが初めてで分からないことだらけでしたが棟梁さんやクラプトンの方に教えてもらいながら、工事を進めていきました。

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図面を見ながらミリ単位で木材の長さを測って、木材を切ったり細かい作業も多くありました。
木を一つ切るだけでも色々なやり方があることを知って、面白かったです!

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中でも棚を巨大ハンマーで解体した時はスカッとしました!
体力的にも一日中現場で作業し続けられるか不安でしたが、徐々に慣れてきて楽しくなり、あっという間に時間が過ぎていきました。

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特に土日は大学生や社会人の方が集まり、作業をしました。
私より年齢が上の方ばかりではじめは緊張しましたが、一緒に作業をして同じ時間を過ごしていると自然と打ち解けられた気がします。
作業後にみんなで行く温泉が最高に気持ちよかったです!

今回のリノベーションメンバーは世界4周した人、美術大学の人、フリーランスの人など私が今まで出会ったことのなかった方ばかりでどの話も新鮮でした。
ワーホリの宿泊先もローカル×ローカルだったため夜遅くまで語り合い、トランプゲームしたりととても濃密な時間でした!

平日はローカルローカルで夏にインターンをしていた学生と一緒に作業し、お互い学年や住んでいる場所が近かったこともあり話が弾みました。
南伊豆ではじめて出会って、また東京で会うことができると思うと不思議な気持ちです。

1日のスケジュール

役場編
8:00 起床
9:00 出勤 宿から役場までは徒歩5分
12:00~13;00 昼休憩
お昼は役場で食べたり、職員の方と近くの飲食店に行きました。
531 Coffee&Bakeでのランチ

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16:00 勤務終了
勤務後は宿に帰ってリモートワークをすることもあれば、夕日を見に行ったり近くの温泉に行きゆったり過ごしていました。

【リノベーション編】
8:00 起床
9:00 ラジオ体操→リノベーション
12:00~13;00 リノベーションメンバーと宿で食べたり、近くの飲食店に行きました。
鹿と猪のカレー

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海老しか勝たんのケータリング

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17:30 みんなで温泉に行って、宿でご飯
夜はイッテツさん特製アクアパッツァや自給自足で生活している「よっしーさん」がご飯を作りに来てくれました!

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休日の過ごし方

休日も観光に連れて行ってもらったり、地域の方と交流したりとアクティブに過ごしていました。

役場の方とドライブ
南伊豆の隣の松崎町と西伊豆方面へ向かい、まず松崎の「なまこ壁」を見にいきました!

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そして西伊豆の黄金崎にも行きました。
馬の顔のような形の岩「馬ロック」が印象的です。

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道中は役場の仕事の話やプライベートの話も伺えて楽しかったです!
そしてこの日はサルに出会いました…!

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ちえ子さんのお家でジャム作り
イッテツさんが運営する南伊豆でさまざまな暮らしをされている人たちの日常におじゃまする体験プログラム「暮らし図鑑」に参加しました。
私はちえ子さんと恒明さんのお家に伺いました。自宅は海が一望できる高台にあります。

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とても温かく迎えていただいて、まずは家庭菜園をしている畑を見学しました。

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果物の木や、勝手に生えててきたというネギやアボカド、ローズマリー、クレソンがあったりと驚きでした。生ごみは畑に捨てて、肥料として再利用しているそうです。
畑の近くに川や滝があり、昔は川エビが取れたそうです。

そのあとはお家に戻り、ジャム作りを体験しました。
今回は「だいだい」という柑橘系の果物を使ってマーマレードを作りました。皮を細く切って茹でている間に、実をむいてミキサーにかけ、砂糖と煮詰めていきます。

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工程はシンプルですが火加減の調整やアクとり、空気に触れないように手早く行うビン詰めが大変でした…

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一緒にやりながらコツを教えてもらいました!
ちえ子さんはとても効率が良く、てきぱきしていて、私の方が元気をもらっていました。

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完成した後は、ちえ子さん特製のキウイやきいちご、しょうが、フェイジョア、ゆず、黄金柑のジャムを試食しながらお話しました。

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以前は役場の職員だった方で、ジャム作りと販売を始めたのは仕事を辞めてから、近所の方からたくさん果物をもらったことがきっかけではじめたそうです。
特に今はみかんの時期なので柑橘系が多く、それぞれみかんの種類や砂糖の量で味や香りが異なりました!
その時期が旬のものを使ってジャムを作っているうちに、どんどんレパートリーが増えていったそうです。
個人的にはしょうがジャムがピリッとして美味しかったです!

帰りは夕日を見に行って、恒明さんに宿まで送っていただきました。

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以前の副町長だった方で、南伊豆の地域や暮らしのお話、今取り組んでいることなど伺いました。

南伊豆の好きな場所

石廊崎

伊豆半島の最南端にある岬で、絶景でした。断崖絶壁で風が強いと吹き飛ばされてしまいそうですが、自然の力を感じました。

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弓ヶ浜

天気の良い日に自転車で川沿いを通って、弓ヶ浜まで行きました。

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ヤシの木があり、波が穏やかで南国のようでした!

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桜と菜の花畑

川沿いには早咲きの桜と菜の花が一面に咲き誇っています。
南伊豆に来た時は一分咲きでしたが、帰るころはほぼ満開でした!

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下賀茂温泉
・銀の湯
宿から歩いて行ける距離にあります。
露天風呂やサウナもあり、地元の方や観光客の方も利用していました。

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・みなと湯
弓ヶ浜方面にあり、車で連れていってもらいました。
温泉の温度が熱いことが特徴で規模は小さいですが、リノベーションで1日体を動かした後はとても気持ちよく、あったまりました!

海老しか勝たん

海老料理専門店で、平日ランチとディナーは予約制で営業しています。イッテツさんの紹介で宿泊先から近かったこともあり、昼や夜にも他の宿泊者の方と何度か伺いました。

“勝たんしか”海老ラーメン
揚げ海老と海老ワンタン、海老の濃厚な出汁で海老づくし!

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海老はもちろん、自家製ジャムのカシオレや鹿肉のローストが美味しかったです!

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オーナーのまことさんは移住してきた方で、色々なお話を伺うことができました。

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店内は薪ストーブがあって居心地が良く、あっという間に時間がたってしまいました。

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このように気軽にふらっと立ち寄れるお店が私の家の近くにもあったらな…と思いました。

最後に

2週間の滞在で、役場の方、ローカルローカルの宿泊者、地元の方、移住して暮らしている方など幅広い年代のたくさんの人と出会いました。
「ふるさとワーキングホリデー」は旅行以上、移住未満の経験ができることが魅力です。南伊豆に来て滞在したからこそ知れた魅力や、新たな発見が本当に多かったです。
特に、人口減少や高齢化など長期的な課題がある中で、若い世代で移住し活躍している方にお話しを伺えたことは貴重な経験でした。
「もともと南伊豆に来るとは思わなかった」と話していた方が多く、人との出会いやタイミングなど移住を考えるきっかけは人それぞれですが、何かしらの形で南伊豆に魅了されたのだと思います。
オンライン化が進んでいますが、誰と出会うかや人と人との繋がりの大切さを改めて実感しました。


南伊豆での生活は、たった2週間で色々な人生観や価値観を持つ人たちに出会うことができ、学生生活最後の忘れられない思い出です。今や生活や仕事の仕方の選択肢が増えたからこそ、色々な生き方があることを知り、社会人になってからも自分の将来について、考え続けていこうと思います。
1日過ぎるのがあっという間で、東京で過ごす2週間とは比べ物にならないくらい充実した日々でした!

ワーホリ滞在期間中、お世話になった方々には感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

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今後も何かしらの形で南伊豆と関わり続けたいと思い、また南伊豆の人に会いに、景色をみに来ようと思います!











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